国産みの地、宮崎県。神々の物語を知っていますか?

太陽と清らかな水に恵まれたわが国は農作物の実りも豊かに『瑞穂の国』という美しい呼び名を持つ。自然の恩恵のもとで営々と農耕にいそしんできた祖先たちは万物に神が宿ると考え、聖域を設けて神社となした。人々が感謝と祈りを捧げる神聖な場として、神社は今もなおその地域の安寧と秩序を静かに見守り続けている。

神話の始まり、国産み物語

[天孫の子と海の一族の娘]

太陽と清らかな水に恵まれたわが国は農作物の実りも豊かに『瑞穂の国』という美しい呼び名を持つ。自然の恩恵のもとで営々と農耕にいそしんできた祖先たちは万物に神が宿ると考え、聖域を設けて神社となした。人々が感謝と祈りを捧げる神聖な場として、神社は今もなおその地域の安寧と秩序を静かに見守り続けている。

神話の始まり、国産み物語

宮崎にある、多くの神社は、日本最古の歴史書「古事記」に登場する神様たちを 御祭神としています。このことから、宮崎の人々が、いかに神話を大切にし、語り継いできたのかがわかります。その宮崎を舞台とした神話の世界を、少しのぞいてみましょう。

『天の神々から、地上に国をつくるよう命じられたイザナキノミコトとイザナミノミコトの両神。海や風の神など、次々と神様を生んでいったイザナミですが、火の神を生んだ際の火傷がもとで死んでしまいます。 妻を失って嘆き悲しむイザナキは、どうしてももう一度イザナミに会いたいと、黄泉の国へ向かいます。そこでイザナキが目にしたのは、おぞましく変わり果てたイザナミの姿。恐ろしくなって逃げ出しますが、みじめな姿を見られて怒り狂ったイザナミが追ってきます。なんとか逃げ帰ったイザナキでしたが、黄泉の国へ足を踏み入れたことで、体中がけがれてしまいました。そこで、そのけがれを清めるために、阿波岐原で"みそぎ"を行います。すると、身につけた衣類、流れ落ちるけがれから、多くの神様が生まれました。清め終わって顔を洗うとアマテラス・ツクヨミ・スサノオの三貴神が誕生しました。こうしてイザナキ・イ ザナミの両神は、地上を構成する多くの神々を生み出したのです』。

宮崎市東部の海岸沿いにある静かな森。その中にある「江田神社」は、イザナキとイザナミを御祭神としています。夫婦だった両神を祀っていることから、縁結びの神様として知られています。江田神社のすぐそばにある「阿波岐原森林公園(市民の森)」には、イザナキがみそぎを行ったとされる「御池 (みそぎ池)」があります。


天孫の子と海の一族の娘

観光名所としても名高い青島神社に祀られているのが、イザナキの子孫である山幸彦ことホオリノミコトとその妻トヨタマヒメ。この両神は、日向神話の中で重要な役割を果たしています。

『兄である海幸彦から借りた釣り針をなくしてしまった山幸彦。途方に暮れて海辺にたたずんでいると、航海の神・シオ ツチノカミが現れ、それなら海の神・ワタツミの宮へ行くがよいと、告げられま す。いわれた通りにワタツミの宮へと向かった山幸彦は、そこでワタツミノカミの娘・トヨタマヒメに出あいます。一目で惹かれ合ったニ人は、ほどなく結婚し、ワタツミの宮で幸せな時を過ごしたのでした。三年の月日が経ったある 日、ふと、なぜ私はワタツミの宮へやって来たのだろう、と考えた山幸彦。なくしてしまった釣り針のことを思い出し、トヨタマヒメにどうすればいいのかを相談します。それを伝え聞いたワタツミノカミは、海にいる魚たちを呼び集め、甥ののどに刺さったままになっていた釣り針を発見します。こうして釣り針を取 り戻した山幸彦は、海幸彦がいる陸の世界へと戻っていったのです』。 その後、山幸彦の子どもを産むため、トヨタマヒメが跡を追ってきました。山幸彦 は船戸の岩屋に大急ぎで産屋をつくり、ウカヤフキアヘズノミコトが生まれたのです。青島神社は、ワタツミの宮から戻ってきた山幸彦の宮居の跡と伝えられています。亜熱帯性植物が生い茂る境内には、神話にまつわる多くの見どころがあります。


地元の人が力を合わせてつくった「神武さま」

宮崎市内中心部に広大な 境内をもつ宮崎神宮。ここでは日向神話の最後に登場する神武天皇を主祭神としています。 山幸彦とトヨタマヒメの間に生まれたウカヤフキアへズノミコトは、成長してタマヨリヒメをお妃にされ、後に神武天皇になられるワカミケヌノミコトが生まれました。ワカミケヌノミコトは日向を治めるため宮崎に遷りました。宮崎神宮は、その際の皇居の跡近くに鎮座しています。 もともとは小さな神社だった宮崎神宮ですが、明治維新以降、地元の人たちの熱心な働きかけがあり、社格が県社→国幣中社→官幣大社へと昇格していきました。 明治三十一年には、宮崎神宮を官幣大社という社格に見合った大社にしよう、という動きが地元で広がり、九年の歳月を経て明治四十年に現在の立派な社殿が完成しました。宮崎における神武天皇に対する信仰は古く、奈良時代の終わりからといわれています。今でも「神武さま」と慕われており、人々のくら しを守り続けています。


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