宮崎牛が食卓に上るまで(2)

繁殖農家の仕事について、町和牛生産部会長の中石典男さんと町和牛研究グループ会長の西村健一さんに話を聴いた。

繁殖農家の仕事

[繁殖の現状・課題・展望について]

繁殖農家の仕事について、町和牛生産部会長の中石典男さんと町和牛研究グループ会長の西村健一さんに話を聴いた。

繁殖農家の仕事

繁殖農家の養う牛は、「繁殖牛(子牛を生むための雌牛)」「育成牛(繁殖牛にするため育てる雌牛)」「子牛」の3種類。人工授精また受精卵移植により、繁殖牛は「1年1産」をめどに子牛を出産する。産まれた子牛は登記が済むと、耳に10桁の固体識別番号が書かれた黄色い札を付けられる。子牛は生後9~10か月(このころ、子牛から素牛と呼ばれるようになる)で競りにかけられ、購入した肥育農家の下での飼育が始まる。


繁殖の現状・課題・展望について

「繁殖農家数は、高齢化や後継者不足により、減り続けています。一方で、多頭化が進み、出荷される牛の数は逆に増えていますね」町和牛生産部会長の中石典男さんは語る。「口蹄疫の時、一時的に種付け(授精)が禁止されたため、宮崎県全体でいまだに1~2月の出荷頭数が少ないという問題が起こっています。そのほか、多くの種雄牛が殺処分されたため、種付けの選択肢が限られるなど、いまだに口蹄疫の影響が残っているんですよ」今後の展望について尋ねると厳しい表情で続けた。「TPPでは、どういう方向に進むのか、まだはっきり分かりません。繁殖農家全体にいえますが、コスト削減などを図って品質向上に努め、輸入品に対抗できるようにしないといけません。もちろん、これまで同様に防疫を徹底し、口蹄疫などを起こさないようにする必要がありますね」町和牛生産部会の活動町和牛生産部会は、168戸の町内農家で構成される(4月末日現在)。2カ月に1回の町品評会、毎月郡市和牛共進会で協力して審査に臨むほか、2年に1回、生産者研修大会を開催。情報交換などを積極的に行っている。


町和牛研究グループの活動

町和牛生産部会の下部組織として、若手農家で構成されるのが、町和牛研究グループである。現会長の西村健一さんに話を聴いた。「平均年齢約40歳の若手農家10人で活動しています。グループを結成して40数年。世代交代し、現在は地域の2代目となります」グループの主な活動について尋ねる。「三股町の繁殖農家について、高齢化や後継者不足で悩んでいる人が非常に多いという現状があります。高齢者の負担を少しでも減らし、1頭でも多くの牛を飼育してもらいたいという思いから、皆で協力して活動しています。またメンバー同士で情報交換を頻繁に行っています。とても有意義な活動になっていますよ」西村さんは笑顔で答えてくれた。


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