▲宮崎市青少年指導委員 小林 睦代(こばやし むつよ)さん
昭和56年に宮崎市青少年指導委員に就任。3人の子どもを育てながら、平成6年からは 檍北地区の主任児童委員としても活動を開始し、青少年の指導に携わる。現在は宮崎 市青少年指導委員連絡協議会会長も務める。

宮崎市で輝いている人を紹介する「キラリ! 宮崎人」。今回は、宮崎市青少年指導委員として36年にわたり子どもたちの指導に当たってきた小林睦代さんです。

子どもたちの非行を未然に防ぐ

[大切なのは安心感を伝えること]

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子どもたちの非行を未然に防ぐ

青少年指導委員とは、子どもたちの非行を未然に防ぐため、街頭などで声掛けをしたり、悩みの相談に乗ったりする人のこと。

公立中学校区の青少年育成協議会から推薦され、市教育委員会から委嘱を受けた人で組織されています。

市では現在182人が各地区を中心に活動しています。
小林さんはその中でも、36年にわたって活動を続けているベテランです。

「周囲からは意外に思われるのですが、実は引っ込み思案な性格なんです。でも、せっかく頂いた役割ですから、活動中は気持ちを切り替えて声掛けをしています」と笑う小林さん。
協議会の取りまとめをしながら、黄色いジャケットと身分証を携え、今も担当地区や繁 華街を巡回しています。


大切なのは安心感を伝えること

小林さんが活動を始めた昭和56年は、核家族化に伴う問題が表面化してきたころ。
繁華街などによりどころを求める子どもたちが集まり、たばこやアルコールなどに手を出すケースもありました。

「当時は、みんな外に集まっていたので見つけやすく、声も掛けやすかった印象です。でも現在は、インターネットの普及で外に出てくる子どもが少なくなり、どんなことを考えているのか察知しにくいですね」。

子どもたちの変化をキャッチできるように、委員同士で連絡を密に取り合っているそうです。
委員の最も大きな役割である声掛け。小林さんには、声掛けで気を付けていることがあります。
「上から目線で言わない。相手が座っていたら一緒に座り、目線を合わせる。掛ける言葉はたわいのないことですが、子どもたちの多くは心を開いて話をしてくれます」。

大切なのは、責めることや無理に自宅に帰らせることではなく、関心を向ける大人がいて、いつも見守っているという安心感を伝えることだという小林さん。
「そうして回数を重ねるうちに、子どもたちは私の名前を覚えて、向こうから声を掛けてくれるんですよ。それは今も昔も変わらない。私のことを口うるさいおばちゃんって言う ところもね」とにんまり微笑みます。


親は子どもともっと向き合って

青少年指導委員の定年は70歳。今年5月、小林さんは退職を迎えます。

「昔と比べると、自分の仕事や生活に精一杯で、子どもに十分な関心を向けられない親が増えたように思います。私も3人の子どもを育てましたが、子育ての期間は意外と短いもの。悔いのないよう、愛情をたっぷり子どもに注いであげてほしいですね」

子どもたちを非行から守るのは大人の役目。小林さんが掛けてきた優しい声は、これからも子どもたち、そして親の心に響き続けます。


注目!

市広報みやざき 2017年3月号

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