パームスが、県内市町村にエールを送る本コラム。今回は野菜と自衛隊のまち、新富町です。同町の春は浜辺にルピナスが咲く季節。梅も咲くし芝桜も咲くし、ハスもソバも咲く、実は花の町です。でもみんな通り過ぎちゃう?

1.通過されてしまうまち

[2.去年いろいろできました!]

1.通過されてしまうまち

長年、宮崎に住んでいても、新富町は国道で通り過ぎるだけ、という人は多いのではないでしょうか。車で国道10号線を走り抜ければ、滞在時間はおよそ10分。渋滞しやすい高鍋と宮崎の間の、ゲームに例えれば唯一かっ飛ばせるボーナスステージ。やったぜ、今日は8分で通過!そういう意味では、新富町って損してますよね。

野菜のまちだと知ってはいるけど、国道を通っても実感がない。地図上では海に面しているはずだけど、海のまちのイメージがない。っていうかどこから海岸に出られるかわからない。

唯一実感できるのは、空飛ぶ自衛隊機だけという。でもそれだけで、新富町にはなにもないと言い切るのは早計というものです。国道沿いの風景はあくまで氷山の一角。その見えない氷山の全貌を今回はご紹介いたしましょう。

県内で2番目に面積が小さいまちなので、それほど大きい氷山でもないかもです。


2.去年いろいろできました!

新富町の去年の大きな話題と言えば、やはり総合交流センター『きらり』のオープンです。図書館、資料館、会議室、さらにはカフェまで備えています。デザインもモダンかつ機能的な新施設。図書館には、県内ではここと佐土原図書館にしかない自動貸出機までありますからね。

一ツ瀬川にかかる日向大橋も昨年開通しました。いつも渋滞するあの橋です。2017年度中には4車線化する予定。やった、これで新富町をもっと早く通過できる! 失礼、同町に行きやすくなりますね。

マイナーなところでは、昨年4月に富田浜スポーツ交流センターも完成しています。これは漕艇庫と宿泊施設を兼ねたスポーツ拠点。県内で唯一、漕艇場があるのも新富町です。目立ったイベントを思い出せない同町ですが、それも目を向けていないだけ。

一ツ瀬川の花火大会。新田原基地のエアフェスタ(航空祭)。そして、今年も開催されるならぜひ参加してみたいのは、夏の「WATERGUN FTGHT」です。チームで撃ち合う、水鉄砲合戦! あれ?思ったより新富町って楽しそうなんですけど!!


3.子どもにやさしいまち

こうして見ると、新富町はもっとうまくPRすればいいのに、と思えてきますよね。でも同町が力を注いでいるのはそこではありません。

新富町は、県内でもとりわけ子育てにやさしいまちです。例えば子どもの医療費。県内の自治体では小学校に入るまでの助成が大半ですが、新富町では中学校卒業までが対象です。一時預かりや放課後クラブなどのサポートも整っていて、スポーツ少年団の活動も盛ん。好奇心を育む「子どもフェスティバル」や、読書推進イベント、図書館での読み聞かせなど、親子向けの催しも多く開催されています。商店街や町民グループの活動も活発です。

そのためでしょうか、0〜14歳の年少人口の割合は、三股町に次いで県内2位。国道を通過するだけではわからない新富町の姿です。

今年1月には、国道沿いに地域活性化拠点の建設を検討していることが公表されましたね。航空資料館あり、温泉あり、レストランあり、特産品販売所ありという大型施設だそうです。

サッカーコートや緑地広場も考えられているあたりも、やっぱり子育てのまち。なんだかいろいろそろってきた新富町です。通過点から目的地になるまちへ。新施設はまだ検討段階ですが、実現すると楽しみですよね!でも新富町らしさで言えば、ドライブスルーにすべきじゃない?


■ 新富町DATA

●人口:17,036人(2/1現在)
●面積:61k㎡
●人口密度:279人/k㎡ 
●町の木:梅
●町の花:ルピナス
●町の鳥:ウグイ

■ 新富町のココもスゴイ!

久家神社
岩脇地区、国道10号線のそばに鎮座。見どころは、境内を囲む岩石に見られる、おびただしい数の化石群です。約1,000万年前の二枚貝の化石だとか。

春日の大イチョウ
高さ40m、樹齢400年と言われるイチョウの大樹。時代劇『水戸黄門』の助さんのモデルとされる、佐々介三郎も見たと伝えられます。秋の黄葉が見事。


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月刊パームス 3月号 No.304

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