パームスが、県内市町村にエールを送る本コラム。
今回は、宮崎県最奥の村、椎葉村です。平家の隠れ里。

鶴富姫の悲恋物語。いまなお、ひっそりした秘境のイメージで語られます。
っていうか秘境と田舎の違いってなに?

1.「秘境」の定義って……?

[2.新スポットも続々]

<br> <br> <br> <br> <br><br>

1.「秘境」の定義って……?

「日本三大秘境のひとつ、椎葉村」。

椎葉が紹介されるとき、よく見聞きするフレーズです。こう呼ばれてはや21世紀。椎葉はいつまで秘境扱いなんでしょう。全世帯光ファイバー完備の秘境、椎葉村。電気自動車の充電もできちゃう秘境、椎葉村。

赤い民族衣装でジャンプしてみせたりするけれど、実際はスマホを使い倒しているマサイ族に通じるものがありますね。なんか軽く失礼なことを言っているような気もしています。

鶴富屋敷。上椎葉ダム。柳田國男ゆかりの「日本民俗学発祥の地」に、秋の平家まつり。たいていの宮崎県民が椎葉について思い出せるのって、だいたいこれ。ずっとこれです。いまなお秘境感。そこはかとなく日本昔ばなし感。もちろん、「秘境」は椎葉ブランドに欠かせないイメージなんてすが、椎葉ってそれだけの村じゃない!

そんなわけで、今回は椎葉村最新事情です。


2.新スポットも続々

実は去年、村に新名所ができました。松尾地区の「大イチョウ展望台」です。深い谷越しに棚田を眺める大展望が見事。その景観は「椎葉のマチュピチュ」なんだそうです。

なんせ21世紀になっでも新種の動植物や未発見の滝が見つかる、椎葉の山の奥深さ。絶景を新たに開拓できるのもさすがは椎葉です。ただし、展望台までは村の中心部からさらに車で1時間。村としては全国5位、この恐ろしい広さもさすがは椎葉……。

名所で言えば最近は、尾前地区にある洞穴「岩戸」と「土岩戸」も、パワースポットとしてプッシュされています。かつては修験者の修行の地だったとか。土岩戸は入り口がハート型に見えるそうです。こういう場所は椎葉にまだまだ隠れていそうですよね。

椎葉グルメも、田舎そばや菜豆腐だけじゃないですよ。いまはメープルシロップも採れます。豆腐を寝かせて熟成させる「ねむらせ豆腐」は、和製チーズのような味だと評判です。椎葉産の希少な蜂蜜「秘蜜」も、皇室の某プリンセスのお気に入りだと女性誌に取り上げられて話題になりました。

ね? 椎葉も昔のままじゃないでしよ?
秘境だってちゃんと「更新」されているんです。


3.秘境の明日はどっちだ

そしてこの8月です。世間は夏休み、どの市町村もイベントの多い月ですが、椎葉の8月のカレンダーを見ると、花火大会や夏祭りが毎週予定されています。毎週ですよ。村の規模を考えるとちょっと意外です。

でも思いはわかります。人口はすでに3千人以下。進む過疎化。高齢者率は約4割。移住促進にも力が入っています。赤信号が灯る村の将来を変えようと、情報や魅力を一所懸命に発信している椎葉村なのです。

昨年末に県北が沸いた、高千穂や椎葉エリアの世界農業遺産認定。これも、椎葉に産業やビジネスが生まれる端緒になってほしいところです。結局、地域活性化って、地元の人が食っていけるということですもんね。

この夏はぜひ椎葉に出かけましょう。行くこと、お金を落とすことが椎葉への一番の応援です。山峡に響く花火は迫力ありますよ。

来春には、村が舞台の映画『しゃぼん玉』も公開予定です。罪を犯した男性が、逃げた先の椎葉で村人の優しさに触れて……。キャッチコピーはたぶん、全米が、もとい、全椎葉さんと那須さんが泣いた! モモンガも鳴いた、カモシカも鳴いた!

いや、いるんですよ、椎葉にモモンガ。鳴き声なんか知るかって?だったら聞きに、椎葉に行こう♪


この記事をおすすめする人

あの町の、ちょっといいとこ見てみたい!椎葉村 写真

miyazaki ebooks編集部

宮崎県内の観光・情報誌や広報誌などを電子書籍にして、厳選された記事を読みやすくお届けします。

こちらもおすすめ

人気記事

おすすめトピック