宮崎県内で唯一日本刀の外装の職人である、奥原さん親子。奥原勁士郎さんは、えびのから日本刀の魅力を伝えたいという意気込みを話した。

県内唯一の外装師

[刀に向き合う父の姿に憧れて ]

県内唯一の外装師

 「刀にも個性があります。その個性にあったサヤ、柄、ツバを考え、作るのが、とても楽しいです」と話すのは、外装師の奥原勁士郎さん(五日市)です。

外装師は、日本刀のサヤ、柄、ツバの修復やデザインしたサヤ、柄、ツバを刀身に取り付け、日本刀を作ります。奥原さんは、五日市にある『サムライ工房』で父親と二人三脚で日本刀の外装の修復・製作に日々汗を流しています。工房での作業は、全て、お客さんの発注で行っています。宮崎県内で活躍している外装師は、奥原さん親子だけです。

日本刀の外装は、地域によって作り方などが違い、製作に苦慮するそうです。「お客さんの要望どおりに作ることは本当に難しく、製作の前には、綿密な打ち合わせを行います」それでも要望に合わないときがあります。「中途半端なものは渡したくありません。最高の一品ができるまで作り直しをしています。納品の時に、お客さんに喜んでもらえた時は、本当にうれしいです」


刀に向き合う父の姿に憧れて

 奥原さんが、外装師になろうと思ったきっかけは、幼いころから見てきた父の姿でした。「刀に向き合う父のまなざしは、本当にかっこよく、憧れていました。自分も父のようになりたいと思い、高校卒業後、すぐに父子入りをしました」

外装師の世界に飛び込んだ奥原さんは、外装師の技術を一つひとつ体で覚えていきます。「技術はもちろんなのですが、刀の外装をデザインするには、歴史の背景、作られた年代を考える必要があります。日本の歴史、刀の歴史も学んでいます」

数ある外装の中でも、奥原さんが最も得意とするのは、柄巻きだそうです。「柄巻きは、正絹や革でできた柄糸とよばれるひもを柄に巻く作業です。きれいに柄糸が巻かれた柄は、見ているだけで心が弾みます」 伝統工芸の世界でも、後継者不足が深刻な問題です。師であり、父でもある雄二さんは、「後継者ができてうれしいです。技術の習得にはとても長い時間がかかります。どんなにいい作品ができても、そこで満足せず、常に最高の作品を目指して成長していってほしいです」と弟子の成長を見守ります。


修行の成果を試したい

 奥原さんは、親子二代で築いてきた技術を携え、11月に行われる日本美術刀剣保存協会主催の外装技術コンクールの柄前の部に出品します。「このコンクールに出品するのは、4年間修行してきた自分の実力がどのくらいの位置にあるかを知るためです。師から教わったすべてを出し切りたいです」

今後の夢を奥原さんは、「外装師は、あまり知られていません。もっと修行を積み、外装の素晴らしさと日本刀の魅力をえびの市から発信していきたいです」と話します。


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