シンプルながら存在感のある花みずき窯の器。 その優しいたたずまいは生活にしっくりとなじみ、より豊かな気持ちにさせてくれます。 そんな器たちが生まれた源泉は、母が培ってくれた美への想いでした。

母のかたわらで陶器を見るうちに

[展示会を行うなど精力的に活動]

シンプルながら存在感のある花みずき窯の器。 その優しいたたずまいは生活にしっくりとなじみ、より豊かな気持ちにさせてくれます。 そんな器たちが生まれた源泉は、母が培ってくれた美への想いでした。

母のかたわらで陶器を見るうちに

自分は陶芸をいつかやるんだろうなと思っていました」―。
山脇さんは子どもの頃を振り返りながら、こう話してくれました。

陶器という存在に接したのは、まだ中学生だった時。
もともと陶器が好きだった母が玄関先で器を販売し始めたことがきっかけでした。
宮崎県内外に足を運び、自分で買い付けを行う母のかたわらで陶器を見るうちに、その形や色彩に心を奪われていったのだそう。
そんななか、高校を卒業した山脇さんは進学のために東京へ。25歳までは陶芸と離れた生活を送っていました。


展示会を行うなど精力的に活動

 それでも時間をみつけては美術館やギャラリーなどに行き、陶器を見ることでその想いが深まり、小林に帰郷。
都城の工房で勉強をした後、自分の窯を開くまでになったのです。
そして現在では東京や福岡をはじめ、仙台や山口などでも展示会を行うなど精力的に活動しています。
そんな山脇さんを支えてくれるのは、器を取り扱っている店の店主たち。
「目の肥えた人たちですから、気づかなかったことを指摘してくれるので勉強になります」。
今ではこれまでやってみたかった宮崎の土を使った作品も制作しており、新しいことに次々とチャレンジする日々を送っています。


色合いとフォルムがとても優しい

 「伝統にとらわれず、自由な発想で作陶できる意味で、宮崎はいい環境だと思います」。
そのように語る山脇さんが作る器は、色合いとフォルムがとても優しく、使い手の心を豊かにしてくれます。
そんな器には、小林のたおやかな風土が表れているようです。
 「でもやっぱり模索しています。答えがあるのかなって思うこともある。でもどんどんチャレンジしていきたい」。
山脇さんはこれからもそんな小林に身を置きながら、自分の感性を反映した作品を作り続けていくことでしょう。


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母から継いだ、 器への想いを込めて 写真

miyazaki ebooks編集部

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