「共働きで仕事の帰りも遅い」「近くに頼れる祖父母がいない」…そんな子育て世代の助っ人として、人生のセンパイである高齢者の皆さんの活躍が待ち望まれています。将来を担う子どもたちのために、POWER(力)を発揮してみませんか?

助けて欲 しい子育て世代とセンパイ 世代の現状

[元気で忙しくしている 60 歳代地域活動の主体はより高齢に]

POWER<br><br>

助けて欲 しい子育て世代とセンパイ 世代の現状

どうすれば高齢者の皆さんに、子育ての助っ人をお願いできるでしょうか。子育て世代と高齢者世代が意見を交わしました。


元気で忙しくしている 60 歳代地域活動の主体はより高齢に

▲宮崎市老人クラブ連合会 若手委員長 小川 定範さん

【小川さん】
現在の老人クラブは大半が75歳以上で、私と同じ60歳代はほんのわずかしかいません。みんなまだ若いという意識でいますし、現役で仕事をしている人も多いです。また、公民館や民間の講座、趣味のグループなどコミュニティもたくさんありますので、わざわざ老人クラブに入らなくてもいろんな活動ができるようになっています。このことが60歳代の加入者が少ない理由だと感じています。

【黒木さん】
元気で忙しくされている60歳代は多いですものね。

【小川さん】
そうですね。でもその一方で、地域の活動はさらに上の世代が中心になり、新しい発想は出にくく、子育て世代の暮らし方や価値観とはズレが生じていると感じています。地域の活力を維持するうえでも、その間を取り持つことができる60歳代の力が必要です。

【市野瀬さん】
私は転居したのを機に自治会に加入したのですが、総会に出席されている方が高齢者の方ばかりでびっくりしました。お元気な方ばかりですが、中心になって動かれるのは大変だと思います。


子育て世代の多くが共働き頼れる人が近くにいない人も

▲長寿支援課 主任主事 黒木 美紀さん

【藤木さん】
ファミリー・サポート・センターみやざきでは、小川さんと同じ50〜60歳代の方が中心になって、子育て世代のサポートをされていますよ。

【小川さん】
どのくらいいるんですか?

【藤木さん】
援助会員として約500人が登録されています。それでもサポートを依頼される依頼会員の半数程度しか登録がなく、需要に追いついていないのが現状です。


▲主婦 市野瀬 加奈子さん

【市野瀬さん】
そうなんですね!

【藤木さん】
依頼の多くは、急に仕事が入ったけれど、近くに頼れる人がいないという切羽詰まったケースです。「週1回だけ保育園のお迎えをお願いしたい」「夕方の1時間だけ子どもの面倒を見て欲しい」といった依頼です。対応可能な方も限られますので、援助会員を増やす必要があります。

【市野瀬さん】
私の周りの大半は共働き。親に頼りたくても、体調が悪かったり、親も仕事をしていたりしていて、そうした要望が多いのはうなずけます。援助会員が増えて、頼れる方が見つかりやすくなるとうれしいです。


経験や資格は不要 できることは多くある

▲ファミリー・サポート・センターみやざき 藤木 順子さん

【小川さん】
私たちの世代は兄弟も多かったですし、地域のつながりにも恵まれていたように思います。それを考えると、今の子育て世代は大変ですね。特別な経験や資格がなくても、私たち高齢者にできることはいっぱいあるということですね。

【市野瀬さん】
上の子の参観日に下の子の面倒を見てくださるだけでも助かります。

【藤木さん】
困っている子育て世代がよりどころとして考えるのは、最初に保育園や幼稚園。次に両親などの親族です。できることならその次に、三番目の選択肢として地域の高齢者の皆さんが挙がるようになるといいですね。

【藤木さん】
高齢者の皆さんは人生経験の豊富な「地域のセンパイ」。子育てのサポートだからといって特別に構えていただかなくても、これまでの経験や今やっていらっしゃることがそのまま子育て世代の役に立つということを、ぜひ知ってほしいと思います。

【小川さん】
同世代の皆さん、地域で力を発揮していきましょう!


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miyazaki ebooks編集部

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