宮崎といえば、「鶏の炭火焼」「チキン南蛮」と鶏料理が全国的に有名。 しかしブームになる以前からずっと宮崎県民は鶏の料理に親しんできました。 宮崎市北地区のお母さんたちに協力をしていただき、その郷土料理を再現。 いったいどのような鶏料理だったのでしょうか。

ハレの日に鶏肉が食卓に出たら、みんなで争うように食べたものです

[「鶏ずし」が思い出に残っています]

ハレの日に鶏肉が食卓に出たら、みんなで争うように食べたものです

 宮崎県では戦後、多くの家庭で10羽程度の鶏が飼われていました。今のように食材が豊富にあったわけではなかったので、鶏肉と卵はとても貴重でした。特に鶏肉は祝いの日のごちそうとして食べられていました。

 祝いの日、いわゆる「ハレの日」になると鶏を「つぶして」(鶏を締めて)、羽根や内臓を処理し解体して、さまざまな鶏の料理をつくりました。

 「子どもの頃は、卵焼きもぜいたくな食べ物でした。ハレの日に鶏肉が食卓に出たら、みんなで争うように食べたものです」と菊池佳代子さん。

 今でも農村部を中心に、その郷土料理が残っていて、地域によって、様々な料理方法や呼び名、食べ方が存在しています。


「鶏ずし」が思い出に残っています

 古くから伝わる郷土料理を川越さんたちお母さん3人に再現していただきました。

 なかでも「鶏ずし」と呼ばれる鶏肉のだし汁に、野菜やごはんを入れた雑炊が思い出に残っているといいます。

 「私たちが幼い頃は、鶏肉を使わない『ずし』をよく食べていました。『ずし』は冷やご飯をおいしく食べるのにはぴったりだったので、冬などの寒い日によく食べていたように思います」と料理を作りながら話してくれた川越さん。

 「鶏ずし」に入れる大根や葉もの、にんじんなど野菜の材料には、世代や地域、家庭によってさまざま。みそ汁と同様に宮崎の鶏を使った料理には、いわゆる家庭の味があったようです。



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昔は鶏料理はハレの日にでるものだった。宮崎に伝わる鶏の郷土料理 写真

miyazaki ebooks編集部

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