平成28年4月14日21時26分以降に発生した熊本県を中心とする一連の地震活動により、家屋の倒壊や大規模な土砂崩れなど甚大な被害が発生※。

各消防団は、震災直後から消火・救助活動、安否確認及び避難誘導を行うとともに、避難所での活動など地域の安心・安全を守るための幅広い活動を実施。今回は、大きな被害を受けた熊本県上益城郡御船町の消防団に当時の状況を伺いました。

地震発生直後の動きについてお聞かせください。

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平成28年4月14日21時26分以降に発生した熊本県を中心とする一連の地震活動により、家屋の倒壊や大規模な土砂崩れなど甚大な被害が発生※。

各消防団は、震災直後から消火・救助活動、安否確認及び避難誘導を行うとともに、避難所での活動など地域の安心・安全を守るための幅広い活動を実施。今回は、大きな被害を受けた熊本県上益城郡御船町の消防団に当時の状況を伺いました。

地震発生直後の動きについてお聞かせください。

【内村団長(以下、内村)】
まずは団員間の連絡手段ですが、地震発生直後は携帯電話が通じず、いろいろと試したところLINEの無料通話がつながりました。あらかじめ、緊急時の集合場所を決めていて、連絡がつかなくてもそこに集まった分団もあります。

【?田副団長(以下、?田)】
前震の直後に集まれたのは、各分団10人前後でした。まずは道路等、被害状況を確認し、一人暮らしの高齢者を中心に安否状況を確認。その後、避難誘導を行いました。山間部で一軒、火災が発生したので、その対応にも当たりました。


【内村】
その後も大きな余震はひっきりなしに起こりました。震度5程度の揺れなら、「これくらいなら大丈夫」という錯覚に陥るほどでした。 そして、16日の未明に本震が発生したのですが、その揺れによって倒壊した家屋の下敷きになったご夫婦がいたんです。

【?田】
私も対応に当たったのですが、2階が1階を押しつぶしている状態で、奥様が梁の下敷きになっていたんです。消防署は、さらに被害が大きかった地域の救助活動に当たっていたため、消防団が救助に当たりました。

ご主人は無事救助できたもののひっきりなしに余震が続く中、懸命の対応をしたのですが、奥様は残念ながら…。あの場に、チェーンソーやジャッキなどの資機材があれば、もしかしたら結果は違っていたのかもしれません。


消防団員自身、被災されながらの活動だったんですよね。

【内村】
そうです。前震直後は、まずは身内の安全の確保を行ったのですが、その後は、地域のために、自分のことはそっちのけで消防団活動に。みんな本当に良くやってくれました。

【?田】
「地域を守る」という気持ちだけで、活動をしているのですが、今回の震災を通じて、地域の人から本当に頼りにされているんだということを感じましたし、「ありがとう」の声が支えになりました。


震災対応はどれくらい続いたのですか?

【?田】
一般の団員は4月いっぱい。本部は、ゴールデンウィーク明けまで対応に当たりました。具体的な活動としては、避難所での物資の配給や、交通誘導、給水車の時間等の広報活動でした。

【内村】
その間、仕事の融通が利く人ばかりではなかったので、人員の確保には苦労しましたね。


今回の震災対応を通じて感じられたこと、そして今後の課題をお聞かせください。

【内村】
各機関で情報を共有することが大切だと痛感しました。当初は、入ってくる情報が二転三転して、現場に行ってみると話が違うというような状態だったんです

その後、東日本大震災の支援を経験されていた山口県の職員からのアドバイスで、毎朝、消防署、警察、役場、自衛隊、消防団が集まってミーティングを行うようになったんです。それからは、効率的な活動を行えるようになりました。

【?田】
今後の課題としては、人員の確保、資機材を充実させ、それを使いこなせるようになること、そして何よりも大切なのは、地域住民とのつながりを強化することですね。つながりがしっかりしていれば、何かが起きてもお互いに協力して対応できますから。

【内村】
震災後は、各団員の意識が高まり、自ら積極的に動く団員が増えました。

消防署や役場との連携がスムーズになったことで、台風が接近したときも、早めに対応することができました。

今回の震災は、不幸なことであることに間違いはありませんが、この経験をしっかりと生かして、これからも地域の安全のために尽くしていきたいと思っています。


消防団ならではの機転で問題を解決!

避難所では、水がないのでトイレを洗浄できないという問題がありました。そこで、消防団では積載車でスポーツセンター内のプールの水をくみ上げ、トイレのそばに設置した操法用の水槽へ。

これによって、トイレを洗浄できるようになり、問題を解決することができたのです。地域に寄り添う消防団ならではの行動ですね。


災害時に発揮される消防団の力

平成28年4月14日21時26分以降に発生した熊本県を中心とする一連の地震活動により、家屋の倒壊や大規模な土砂崩れなど甚大な被害が発生※。

各消防団は、震災直後から消火・救助活動、安否確認及び避難誘導を行うとともに、避難所での活動など地域の安心・安全を守るための幅広い活動を実施。今回は、大きな被害を受けた熊本県上益城郡御船町の消防団に当時の状況を伺いました。

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