パームスが、県内市町村にエールを送る本コラム。今回は高原と湧水のまち、小林市です。
昨年以来、アイデア勝負のPR動画で全国に一躍その名を響かせました。
広告効果は10億円超とも。いい意味でいま、調子に乗ってます。
[いま一番勢いのあるまち?]
パームスが、県内市町村にエールを送る本コラム。今回は高原と湧水のまち、小林市です。<br /> 昨年以来、アイデア勝負のPR動画で全国に一躍その名を響かせました。<br /> 広告効果は10億円超とも。いい意味でいま、調子に乗ってます。<br /><br />
全国を驚かせた例のアレ
去年から今年にかけ、県内市町村の中で全国に名を馳せたのは断然、小林市です。フランス語かと思わせておいて西諸弁という、市の移住促進PR動画「ンダモシタン小林」。
この名前を約1年の間にどれだけ見聞きしたでしょうか。現時点での再生回数は200万超。「んだもしたん」の意味は知らないまま、すでに流行語の勢い。「あらまぁ」みたいな意味らしいですけどね。
動画は昨年夏の公開でしたが、今年に入っても賞歴を重ね続けています。中でも象徴的だったのが、「突破クリエイティブアワード」の受賞です。
こんな企画がよく通ったね、という企画に贈られるもの。本当に小林市はよくOK を出しましたよね。
ポスターに始まる西諸弁シリーズや、ギネスに認定された合併10周年イベントなど、ことあるごとに話題を振りまく小林市です。こないだまで、高原とコスモスと名水とひわいな岩(= 陰隕石です)だけの、のとかなまちだと思ってたのに。いきなり全力で走り出さんでよ! お〜い、いまどこに向かっちょると〜?
宮崎県民、気持ち的にちょっぴり置き去りな気分です。
いま一番勢いのあるまち?
小林市ではPR戦略だけでなく、先進的な取り組みもここ数年増えています。
全国初の災害情報利活用システム。全国初の、姉妹都市間で連携したふるさと納税。県内初の、自治体単独での太陽光発電事業。県内初の、小学校での副担任制度。
ずいぶん前のパームスで紹介したことがあります。
小林駅前の噴水が埋められた理由。駅前にあったお店からのクレームだそうです。「椎茸がしける」。
こんなエピソードがよく似合うのがいままでの小林市だったんですけどね。変わりました。勢いがあるところには自然と話題も集まるもの。今年は小林秀峰高校の新体操部が全国優勝。小林産のチーズがフランスの団体から叙勲を受るなど、同市から新トピックスが続いています。
一方で、変わらぬものにも価値あり。一昨年逝去した名優、高倉健さん。最後の仕事は、小林でのCM撮影だったそうです。滞在中、健さんがほぼ毎日口にしたのが、老舗洋食店の名物タンシチューで、こういう昔ながらの味も小林市の確かな魅力。
変わったのはなに?
さて、例の動画は、市のPR事業の一角にすぎないのですが、ともあれ小林市はひと皮むけましたよね。情報発信のコツをつかんだというか。
少し前までお役所と言えば、前例がないのを嫌う、杓子定規、型通り、というのが共通認識でした。あの動画は、その意識の変革がかたちになったもののようにも思えます。他の自治体にも確実に波及しましたよね。
名前が売れてからの今後こそが、小林市にとっての本当の勝負でもありますが、期待させるなにかがいまの同市にはあります。いままでは、お役所が関わるとつまらなくなるのが定番でした。でも小林はお役所主導でやってのけた。時代は変わってきてるんだなと思わせてくれます。
まもなく12月。寒くなると小林市はイルミネーションの季節です。すでに駅前広場では、ツリーやオブジェが毎夜点灯しています。11月には新たなPR動画も公開されました。東京オリンピックのホストタウンにもすでに認定されています。これからの小林市に重ねながら眺めたい、まぶしいイルミネーションです。
実はその真下に例の噴水が埋まってるというね。なお、椎茸は西諸弁で「なば」ですが、フランス語では「シイタケ」という豆知識。使う機会ないですか。そうですか。んだもしたん。
■ 小林市DATA
●人口:45,709人(11/1現在)
●面積:474k㎡
●人口密度:96人/k㎡
●市の木:モミ
●市の花:コスモス
●市の鳥:アオバト
■ 小林市のココもスゴイ!
*霧島岑神社:
霧島六社権現のひとつ。続日本紀にも登場する由緒ある古社で、かつては高千穂峰の中腹にあったとか。社殿の雲龍柱を抱くと、願いが叶うのだそう。
*湧水群:
小林は名水の里。約75ヵ所の湧水があり、各家庭の水道からも湧水が。水道料金は県内9市のうち最安です。
映画『海猿』の某俳優も、水を目当てに来たとか。
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