日向に伝わる伝説。「ひょうすんぼ」(河童)について

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 この夏、県総合博物館では、「今昔、日本の妖怪 百鬼夜行からゲゲゲまで」と題した特別展が開催されます。これまで自然災害や説明のつかない現象に遭遇し、不安や恐怖にかられたとき、それは昔から語り継がれてきた妖怪が引き起こしているのではないかと考えられてきました。

 県の特別展では、日本の歴史や社会の中で妖怪がどのように生み出され、時代とともにどのように変化していったのかを探求しています。


 ところで、数多くいる妖怪の中でも河童は大変メジャーな妖怪といえるでしょう。東郷町にも「ひょうすんぼ」と呼ばれる河童伝説が伝えられているので紹介します。田野区蕨野(わらびの)を流れる椎谷川(しいやがわ)には、いたずら好きなひょうすんぼが住んでいて、子供が川で遊んでいると溺れさせて命を奪っていました。このため村人は一計を案じ、ひょうすんぼと「この岩が腐れてなくなるまではこの川で決して子供の命を取らない」という約束をしました。夏になって子供が川遊びするたびに、ひょうすんぼは岩が腐れていないか手で撫でて確かめたため、岩は磨かれたようにつるつるになってしまったといいます。

 この岩は「ひょすぼ岩」と呼ばれていましたが、残念ながら、ほ場整備事業(河川改修)の際に埋められてしまいました。


 ひょうすんぼは今頃どうしているのでしょうか。坪谷川の水神淵には、その名の通り水神が祀られており、毎年 正月の水神講では、相撲が奉納される慣わしもありました。興味深いことに、この水神淵周辺には河童の話が幾つも 伝わっています。「ヒョイ、ヒョイ」と鳴く声を聞いたり、川で泳ぐ姿や田の間を流れる水路を通って山へと行き来 する姿を見たりしたといいます。

 河童が水神のみならず、春秋に里と山を去来するという田の神・山の神の信仰にも結びつく民俗学の世界観と一致しているといえるでしょう。

問い合わせ)日向市 文化生涯学習課 文化財・文化振興係


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