周辺分団との連携で林野火災の大きな被害を防ぐ
2025年3月25日の日中に宮崎市鏡洲地区で発生した林野火災。人命を守り、近隣住居への被害を防ぐため、消防団はどのような体制で臨んだのか。発生場所を管轄する宮崎市消防団木花分団の浅部真弘分団長に話を聞きました。

[2日以上続いた消火・警戒活動]

周辺分団との連携で林野火災の大きな被害を防ぐ
2025年3月25日の日中に宮崎市鏡洲地区で発生した林野火災。人命を守り、近隣住居への被害を防ぐため、消防団はどのような体制で臨んだのか。発生場所を管轄する宮崎市消防団木花分団の浅部真弘分団長に話を聞きました。

火災発生の一報が入った当時、私は仕事で市外にいました。春は田畑の野焼きが多い時季で、数日前にも野焼きの火が広がった小規模火災があったことから、今回もその程度の規模かなと思っていたんです。しかし、団員と連絡を取り合っているSNSや仕事の際も常に携帯している無線機に入る情報から、いつもとは違う大きな火災だと分かってきました。
仕事を中断して現場に向かう途中、隣接地域の分団長に背負い式水のうを持ってきてもらえないかと依頼しました。背負い式水のうとは、背負った水袋からポンプで放水する機材で、消防車やホースが入りづらい狭い場所でも力を発揮します。
今回のような林野火災では重要な機材です。


2日以上続いた消火・警戒活動

当時、地域にいた木花分団員は、発生現場近くの小学校に集合していました。活動当初は各分団とも出火元に最短で到達できるルートを探していましたが、木花分団OBが近くに水源のあるルートを教えてくれたことで、発生地点から約30m下った場所から消火活動を開始することができたんです。近くには消防局の消防車も到着しており、団員と局員が協力して、地上からホースとポンプを接続し放水を行いました。ホースでの放水は長い距離になると水圧が低下するのでポンプの設置は欠かせません。約100kgあるポンプを交代で運び、100mおきに3台設置しました。同時に山頂付近からは清武分団も消火活動を開始しました。それぞれホースの入りづらい場所では背負い式水のうも活用しました。木花分団に配備されている数だけでは足りなかったので、事前に応援を依頼していたことが大きな力になりましたね。
その後、消火活動は夜間まで続きます。夜の山林は日中より危険が大きいため、消防団は山での活動は行わず、現場近くの住宅地周辺で夜通し警戒にあたりました。火の手が民家近くまで迫る場面もありましたが、住宅への被害はありませんでした。
今回の火災は延焼の危険がなくなる「鎮圧」までに丸2日。火が完全に消え、再燃の恐れがなくなる「鎮火」までに3日を要しました。幸い人的被害はなく、ほっとしています。消防局員からは「林野火災は消防車が入れない場所も多く、山道ではナビが役に立たないこともあり、地元の力に大変助けてもらいました」との言葉もあり、地域に根ざした消防団としての役割を改めて実感したところです。


背負い式水のうを使って消火する様子


火の手は民家近くにまで迫り、現場は緊迫しました


活動の功績が認められ市長表彰を受けました


分団間連携の強化に向けた取り組み

今回の活動で特に重要だったのが、周辺分団との連携です。今回使用した背負い式水のうなどの機材の確保だけでなく、火災が長期化した際の人員の確保の面でも連携は欠かせません。
また、今回の火災をきっかけに、今年2月には大淀川以南の消防団による合同訓練を初めて実施。ポンプ車62台が出動し、約6.5kmにわたってホースをつなぎ放水訓練を行いました。長距離放水による水圧の課題や、多くの団が参加することでの情報共有の難しさなど改善点は見つかりましたが、何より団員同士が顔を合わせ、つながりを深める良い機会となりました。今後は消防局とも連携しながら訓練や活動を進めていきたいです。
今後も分団間の連携を強化しながら、地域防災の担い手として活動を続けていきます。


注目!

宮崎県消防団だより「DAN!!」vol.21

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