五感に伝わる仕事への情熱

生き物に携わる仕事がしたい

[飼育の難しさ、楽しさ]

生き物に携わる仕事がしたい

 この仕事に就く前は別の会社に勤めていました。30歳の時に社長から「このまま行くのか、新しい道を行くのか」と問われまして… 自分に向き合い考えた結果、以前から好きな生物関係の仕事に就くことに決めました。
 最初は別のところを考えていたのですが、当時募集がなかったんです。そんな時に大淀川学習館の募集を見つけたので、チャンスだと思って応募しました。恥ずかしいことに大淀川学習館のことは最初知らなかったんですよ。ここまで生き物を育てていることも知りませんでした。
 大淀川流域に生息する魚・昆虫を中心に扱っているので、普通の水族館・昆虫館とは違うな、というのが第一印象でしたね。多少詳しかった自分にとっては物足りなさを感じたこともありましたが、来館者の多くが子ども達なので逆にそこが狙いなんだと気付かされました。

 今の仕事に就いて4年になり、多くの人とふれあう機会が増えました。「日高さんに聞きたいことがある。」と名指しで呼んでもらった時や、「日高さんを見て、うちの子もここで働きたいって言っているんですよ。」と言ってもらった時は感動でした。こういう言葉をいただけるとやりがいを感じますね。


飼育の難しさ、楽しさ

 魚を飼育していくで中一番気を付けていることは、生き物の調子です。やはり相手が生き物なので、水温や水質など環境管理には気を付けています。特に、生物にとっての急激な水温の変化は、生体へ与える影響が大きく、また、当館の水槽は大淀川の上流、中流、下流ごとに水温を分けて展示しているので、水質と共に神経を注ぐ部分ですね。
 飼育は難しい反面、育てる楽しさもあるんですよ。エサをあげる時に人懐っこく寄って来るアカメやカメ、働き出した当時に卵から成虫まで育てたタガメには愛着がわきました。

 二番目に気を付けていることは掲示物です。来館者になじみのない生物や、種の同定か難しい生物などもいるので、誤った情報を出さないようにきちんとした確証を得てから掲示するようにしています。あと来館者の方に飼育の方法や捕り方を聞かれることもあるので、自分の経験にないことは論文等の文献調査や、飼育実績のある施設へ問合せ、情報を伝えられるようにしています。

 来館者の皆さんに楽しんでいただくために、飼育環境から生体の展示まで常にベストな状態を作れるよう心掛けています。


自然に触れる機会を増やしたい

 思い出となるような、ワクワクする企画ができるように頑張ります。そして自然をもっと好きになってくれたら嬉しいです。
 魚類・昆虫類も好きだが、実は蛇が一番好きだという日高さん。少し前までは結構な数を飼っていたとか。

 生き物に触れることが好きな彼だからこそ、自然と向き合う大切さを伝えることができるのかもしれない。


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