宮崎市で輝いている人を紹介する「キラリ! 宮崎人」。今回は、東日本大震災の被災地で復興支援を行っているボランティア組織の宮崎支部リーダー、田口あかりさんです。

慣れない役割に悩みながらもリーダーとして活動をけん引

[東北で奮闘する人々に感銘、大好きな宮崎の力になりたい]

慣れない役割に悩みながらもリーダーとして活動をけん引

 「ただテレビを見つめて、あぜんとしていました」。東日本大震災が発生した2011年3月11日、田口さんはその惨状に大きな衝撃を受けました。居ても立ってもいられなくなった田口さんは、同年7月に被災地のボランティアに参加。昨年春には、留学先のカナダで復興支援イベントの運営にも携わりました。

 そんな中で出会ったのが、全国から被災地に大学生を送るプロジェクト「きっかけバス47」。昨年12月の時点ではまだ宮崎に組織がなく、友人の後押しでプロジェクトを立ち上げた田口さんでしたが、「人前で話したり、みんなをまとめたりするのが苦手な性格なので、不安は尽きませんでした…」と苦笑い。胸に熱い思いを秘めながらも、なかなか伝えられないジレンマを抱えていたことを明かします。

 「みんなの意見を引き出してまとめることに懸命になりすぎて、気が付いたらいっぱいいっぱいになってしまって…。周りの協力を得ることの大切さを学びましたね」

 「きっかけバス47」宮崎県支部は、3か月間で40人の参加者を集め、今年3月に東北へ。被災地ではボランティア活動や地元の皆さんとの交流を通じ、人の温かさに触れたそうです。

 「東北では、人と人との絆がいかに大切かを痛感しました。関われば関わるほど、東北のことを大好きになっていく自分がいました」


東北で奮闘する人々に感銘、大好きな宮崎の力になりたい

現在、田口さんは大学4年生。卒業後は市内のIT関係の会社に就職予定です。

 「以前から地元で働きたいとは思っていましたが、東北の皆さんが地元のために奮闘する姿を見て、私も宮崎のことをあらためて大好きだと感じるようになりました。だから宮崎のことをもっと魅力のあるまちにしたいし、もっと若者が活躍できるまちにしたい。例えば、宮崎の学生と社会人がもっと関わりを深められるような機会を作っていけたらいいなと考えています」

 「きっかけバス47」に参加したメンバーは、大半がボランティア初挑戦。バスで被災地を巡る中でみるみる顔つきが変わっていったそうです。

 「災害の恐ろしさを目の当たりにし、私も含めてみんな意識が変わりました。震災から3年半が経ち、風化との戦いも始まっています。これからも東北と関わりながら、宮崎にその様子を伝え、防災活動にも取り組んでいきたいです」


こちらもおすすめ

人気記事

おすすめトピック