障がいのある人もない人も、互いに人格と個性を尊重しながら共生する社会の実現が求められています。今回は障がい者の就労支援活動を通じて、私たちが社会で生きる上でのヒントを聞きました。

失敗してもいい。学習を続けること。生きるために大切なことです。

[羽ばたくまで、何度でも挑戦する。チャンスは一度ではありません。]

失敗してもいい。学習を続けること。生きるために大切なことです。

昼過ぎの久峰食堂。「お待たせしました」と運ばれてきたのは、チキン南蛮やうどんがセットになったAランチです。「粉からこねて、麺打ち、だし汁に至るまで全て障がい者が手作りしているんですよ」と話す佐藤さんは、平成20年からチームさどわらで障がい者の就労支援を行っています。
 現在、食堂では15人が調理や接客に従事しているほか、地域の保育園や事業所で清掃もしています。また、平成25年からは青パパイヤの植え付けから加工までを行い、「パパイヤ茶」の製品化にも成功しました。「一人一人好きな仕事は違います。今後もできるだけ選択肢を広げていきたいと思っています」
 障がい者を受け入れる環境は整いつつあるという佐藤さん。だからこそマナーや技術を確実に身に付けて地域で生きていけるよう、個別の支援を手厚くしているそうです。
 「失敗しても、学習しなければ就労して仕事をすることはできません。私たちは、みんなの人生を預かっているようなもの。一人一人が自信を持てる技術や商品を手にできるよう、個別に相談に乗ったり、励ましたりしながら学習をサポートしていきます」


羽ばたくまで、何度でも挑戦する。チャンスは一度ではありません。

「今の社会は、コミュニケーションをとるのが難しい。だから、私たちは利用者さんのコミュニケーション力の向上に重点を置いています」と話す中村さん。特に力を入れているのは、書くことだそうです。
 「初めての利用者さんにはまず、就職先でうまくいかなかったり、辛かったりしたことなどを書き出してもらいます。書くことで、自分が伝えたいことを明確にできます。また、自分が聞いたことを書いて記録する習慣もつき、仕事上の失敗防止にもつながります。この習慣は、今後どの仕事でも生かせるものです」
 現在、受託している清武総合支所の清掃は、とても貴重だと中村さんは言います。
 「5人のチームで清掃を行うのですが、集合から作業完了までを時間内に終わらせるために、互いに協力する力が付きます。しかも地域の皆さんがいらっしゃる中で仕事ができる。社会性を養う上で理想的ですね」
 社会に出た障がい者がうまくいかなくなった時も、戻って来られるシェルターでありたいと話す中村さん。「チャンスは一度ではありません。羽ばたけるまで何度でも、次のチャンスを作っていきたいと思います」


仕事に対する誇りが、意欲の源です。

琉球塗りの流れをくむ宮崎漆器は、太平洋戦争末期に沖縄から疎開移住してきた職人がもたらした伝統工芸品。その弁当箱は、クルーズトレイン「ななつ星in九州」でも使用されています。「木地の研磨から上塗りまでの8つの工程を、手作業で丁寧に繰り返す。この手間暇をかけて生まれる光沢のある漆器が、日用品や記念品、贈答品として人気です」と田原さん。しかし、その技術を長年担う障がい者の皆さんは高齢化が進んでいるそうです。「みんな漆器作りに自信と誇りを持っています。知名度を上げ、販路を開拓しながら、新たな担い手を増やしていきたいです」


技術。それが自信を生み、自立を支えます。

障がい者の目線で建築設計を行う組織として始まったCADセンターは、技術を生かして事業範囲を拡大。現在は30人の障がい者が、ウェブサイトや印刷物を制作しています。「ここで技術を磨き、大手情報機器メーカーなどで活躍している人も数多くいますよ」と話す土肥さんは、障がい者が自立する上で技術が大きな支えになると話します。「技術があれば自分で稼ぎ、納税できる。それは生活する上で大きな自信になり、仕事で中心的な役割が果たせるようにもなります。そのために、ここでは学校のようには教えず、自ら聞き、考えて技術を習得できるよう指導しています」


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