「サンシールさの」で、今晩のごちそうを探すしあわせ

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「サンシールさの」で、今晩のごちそうを探すしあわせ

自動ドアをくぐると、お客さんたちが放つ浮き立つ空気をすぐさま感じ取った。
ここは、ただのご近所スーパーではない。
そう感じさせるほど、「サンシールさの」は活気で満ちていた。

門川町で暮らす人たちの日常の買い物の場所でありながら、次から次へと新しい発見が待っている。
まさかこんな場所があったとは。


野菜売り場には、地元産の野菜が並ぶ。
この物価高の時代にも、手頃な価格と新鮮さには驚かされる。
目移りしながらもふと興味をそそられたのは、「へべす」。
種が少なく、果汁がたっぷり。
門川町を代表する特産品のひとつで、料理に搾ったり、飲みものに加えたり、地元ではおなじみの柑橘だという。

都市部ではなかなか見かけないが、地元の人にとっては馴染みの果物なのだろう。


肉のコーナーへ進む。
宮崎牛に、鶏、豚。宮崎らしい顔ぶれに加えて、熊本・阿蘇の放牧あか牛、グラスフェッドビーフ、鴨、馬、ラム、猪……。


普通のスーパーじゃなかなか手に入らないジビエ肉も、ここじゃ普通の顔をして並んでいる。
ホルモンも充実していて、希少部位といわれるハラミまできちんと揃っている。
目移りして仕方がないが、まだまだ先がある。


さすがは「魚のまち」門川町。続く鮮魚部門はさらにすごかった。
地元の漁港でその日獲れた魚介が、所狭しと並べられている。
…はずが、売り場には、正午の時点ですでにところどころ空いた場所もチラホラ。
目と舌の肥えた門川の人たちによって、目玉商品は早々に買われていくらしい。


〔鱧が、スーパーに普通に並んでいる光景に驚く。鱧は、門川が誇る特産品なのだ〕

全長25cmはあろうかという鯛が、一尾700円。
ほかにも、カンパチ、ブリ、ワタリガニ……。
――通えばいつかは、全種食べ尽くせるだろうか。
特に目的もなく商品棚を眺めるだけのつもりだったのに、「あれも食べたい、これも食べたい」といつの間にか食欲が膨らみきっていたようだ。無謀な野望を抱きつつあった。


さらに進むと、店の奥には大きな弁当・惣菜コーナーが待ち受けている。
魚介、肉、寿司、おにぎり、揚げ物。
手作りを中心とした和洋中華の弁当・惣菜は、「県北No.1を目指す」と掲げるほどのこだわり。
中でも自家製調理の地鶏炭火焼きには、特にファンが多いらしく、これまた飛ぶように売れていく。
鶏もも肉はもちろん、鶏レバーや砂ずりの炭火焼きもあり、お酒のアテにぴったり。


巻き寿司も、種類が豊富で、ひとつひとつが大ぶり。
食卓に並んだら、子どもたちはきっと大喜びだろう。
今日はちょっとしたパーティーだ。

そう思ったところで、ふと我に返る。
カゴの中を覗き込む。……ちょっと、調子にのりすぎたかもしれない。
もうひとりの自分がそう言っているが、これでも我慢したほうだ。

あれもおいしそうだった。これも食べてみたかったのに。
私の胃袋が、もう少し大きければな。
そんなことを考えながら車に乗り込む。
でも、まあ。

明日も来ればいいのだ。
そう思うと、なんだかうれしかった。


〔帰りぎわ、併設のパン屋さんに大きなアップルパイ。次はこの子も連れて帰ろう〕


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